20260114更新
20250409公開開始
サンフランシスコ湾岸都市圏
サンフランシスコ(87万人)・サンノゼ(54万人)・オークランド
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サンフランシスコは、ロサンゼルスと共にカリフォルニア州の経済、工業の中心地として知られている。当時は、人口1,000人程度だったといわれる1848年に金が発見され、いわゆる「ゴールド・ラッシュ」が起こり、翌年の1849年には人口2.5万人にもなったといわれる。
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サンフランシスコ市は、現在では人口80万人の都市となっている。しかし周辺の都市も含むサンフランシスコ都市圏としての人口は600万人で、しばしば「ベイエリア」と呼ばれている。この地域はサンフランシスコを中心に、隣接のオークランド市やその近郊の都市を含め、サンフランシスコ湾の湾岸地域全体に広がっている。
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ベイエリアの水道はこのような都市事情を反映して、サンフランシスコ市の上下水道電力企業局(SFPUD:San Francisco Public Utilities Commission)が、サンフランシスコ市内の水道だけでなく、ベイエリア全体の水源開発において中心的な役割を担ってきている。
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その水源開発の中心プロジェクトが、ヘッチ・ヘッチー(HH)広域水道:Hetch Hetchy Regional Water Systemであり、SFPUDがその施設を所有し、運転し、市域以外の地域にも用水供給事業を行っている。
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この地域の末端水道は、サンフランシスコ水道を除き、各市、各カウンティが、いろいろな形で連合し、創設した水道事業者によって経営されている。その代表的な水道事業者が、サンフランシスコ市の対岸にあるオークランド市を中心とした東部湾岸水道企業団EBMUD:East Bay Municipal Utility Districtである。
サンフランシスコ市位置図

サンフランシスコ都市圏のカウンティ位置図

サンフランシスコ:ヘッチ・ヘッチー広域水道
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サンフランシスコ都市圏の東方にヨセミテ国立公園があるが、その公園内の北西部にヘッチ・ヘッチーHetch Hetchyと呼ばれる場所がある。現在のヨセミテ渓谷にも劣らない素晴らしい渓谷があったと言われていたが、サンフランシスコの人口が急増し水不足が懸念されるようになると、ダム建設候補地としてこの渓谷が注目された.
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自然保護派の反対活動は激しかったものの、1906年に発生したサンフランシスコ地震災害を契機として水不足が深刻化したため、世論は人道的な立場からダム開発に傾き.1925年、オショーネシーO'Shaughnessyダムが造られ、ついにヘッチ・ヘッチー峡谷は湖底に沈んでしまった.
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当時は自然保護団体との間で開発か保護かで大論争となったが、第28代大統領ウィルソンがダム建設に署名し、ダムが建設されることになった。このことがアメリカの連邦政府国立公園局が発足するきっかけになったと言われている。
【ヘッチ・ヘッチー広域水道(HH広域水道)】
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HH広域水道はSFPUCが所有、運転する施設で、貯水池、トンネル、管路、ポンプ場、浄水場などで構成され、Sierra Nevada流域の水をBay Areaの4カウンティに給水しているものである。
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HH広域水道は2つに分けられる。1つは、ベイエリア末端水道で、もともとは、Spring Valley水道会社が建設したものだが、後に、1930年、サンフランシスコ市が買収したものである。
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もう1つはHH広域水道である。Tuolumne川から導水するもので、1934年にサンフランシスコ市によって建設されたものである。HH広域水道は、San Francisco, Santa Clara, Alameda, San Mateo, Tuolumneのカウンティの270万人に給水サービスを提供している。
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サンフランシスコ市民に送水されている水の平均15%の水が、Alameda and Peninsulaの流出水からで、残りの85%は、Sierra Nevadの雪解水や雨水がTuolumne川と関連施設を通じて送水されている水である。
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HH広域水道は、ヨセミテ国立公園内のHetch Hetchy貯水池(O'Shaughnessyダム)から始まる。ほかにも他の貯水池もある(Calaveras、SanAntonio、Cristal Springs、Pilarcitos、San Andrea)。この貯水池の水は、水力発電をしながら、San Joaquin導水路まで到達する。途中には、Tesla紫外線消毒施設、Coast Rangeトンネルがある。
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また浄水施設としては、Tesla紫外線消毒施設、Sunol Valley浄水場、Harry Tracy浄水場がある。
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ベイエリアとサンフランシスコ半島内の導水施設としては4つの主要な幹線があり、その途中には、Irvingtonトンネルの1と2、ベイトンネル、Cristal Springsバイパストンネルの4本のトンネルがある。
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HH広域水道は、上流域の基幹的水道施設と基幹的電気施設も運転管理している。この流域は、カリフォルニア州全体の水資源の中心的地域であるため、HH事業流域の貯水池群の運転はカリフォルニア州全体の水運用上、大きな役割を果たしている。
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電力事業は、SF市内全域の電力供給に責任を負っている。この事業はSFPUDが保有する事業となっている。
ヘッチヘッチー広域水道

ヘッチヘッチー貯水池
