20260901更新
20250409公開開始
中央政府と自治体の関係
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日本では上下水道事業の主たる事業主体は市町村である。市町村は、中央政府に対して自治体、米国ではcentral governmentに対してlocal governmentといわれる存在であるが、先ずは、中央政府と自治体の関係を、簡単に日米比較してみると下図のようなイメージになる。


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日本人にとってなかなか理解しづらいのが、米国の中央政府が、連邦政府と州政府の2階層制になっていることである。多くの日本人は、ワシントンDCにある連邦政府が中央政府だと考えるが、それは米国国内の行政を理解する上では、ほとんど誤りと言っていい。連邦政府の成立ちの歴史を見ても、いくつかの州政府が先に存在していて、その州政府の合意によって、いわば、機能限定版の州政府連合体として連邦政府が作られているのである。
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したがって連邦政府の権限は、基本的には、外交、防衛等と、複数の州にまたがる業務とされている。例えば水道行政の分野でいえば、日本でも有名な、連邦政府のUSEPAが設定した飲料水水質基準があるが、これは水質基準そのものではなく、州政府が設定する水質基準のためのガイドラインという位置づけである。違反した場合の水道事業者に対する罰則、強制措置は、州政府の権限に基づいて執行されることとなる。
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各種の行政制度が州毎にあまりに違うと困るため、重要なことに関しては、連邦政府がそれに応じたガイドラインを発出し、標準化を図っているものの、最終的な法規制は州法に基づいて実施される。このことから、各種の行政制度が州によって微妙に異なることは避けられない状況にある。
【国と自治体の関係-日米比較】
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米国の中央政府が連邦政府と州政府の2階層制になっていることは既に説明したが、自治体制度に関しては、米国では自治体制度は1階層制である。それに対して、日本の自治体制度は、都道府県と市町村の2階層制である。米国では、カウンティcountyが、州政府の組織なのか独立の自治体なのか理解が難しいが、ここでは、一応、1階層制と理解しておく。
自治体類型のイメージの違い(1)
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City・townshipなどは、管轄区域も管轄事務も、住民の必要に応じて設定され、まさに、住民主導で作られた自治体である。
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州法の標準的な法令に基づいて新設されるcityもあれば、独自の市憲章(charter)を持ち、実質的に、州政府からかなり独立した運営をしているcityもある。
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City・townshipなどの設立されていない区域はunincorporated areaと呼ばれ、County が自治事務を補完している。
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Countyは州政府主導で作られた組織で、州政府の出先機関的性格と自治体としての性格を持っている。
自治体イメージの日米比較(1)


自治体類型のイメージの違い(2)
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アメリカの自治体には、大きく、総合業務自治体と特定業務専門自治体の2種類があり、それぞれ、並立している。特定業務専門自治体は、例えば、学校、上下水道、道路などの特定サービスを提供するもので、総合業務自治体の所管区域とは関係なく、独自の所管区域を持っている。
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日本の自治体は、基本的に、総合業務自治体として存在している。例外的に、単独自治体として行うよりは、広域的に複数自治体が一体的に実施する方が効率的な業務に関しては、自治体の組合、連合組織が、特別自治体として設立される。
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この特別自治体は、建前上、1個の独立的な自治体ということになっているが、実質的には、設立自治体の強い影響下にある。
自治体イメージの日米比較(2)
アメリカの自治体
・アメリカの自治体には、大きく、総合業務自治体と特定業務専門自治体の2種類があり、それぞれ、並立している。
・特定業務自治体は、例えば、学校、上下水道、道路などの特定サービスを提供するもので、総合業務自治体の所管区域とは関係なく、独自の所管区域を持っている。
・なお、special district(特定業務自治体)のうちschool districtは、他の特定業務自治体と似ているが、 U.S. Census Bureau(連邦政府統計局)では school district を special district から除外し、独立した政府類型として分類している。

日本の自治体
・日本の自治体は学校業務も含めて、総合業務自治体が原則
・特定の業務について単独市町村で実施することが非効率である場合に、例外的に隣接自治体と共同で、事務を処理するための事務組合・連合組織(特別な自治体)などを設立する。
・このような自治体の組合や連合組織は、建前上、1個の独立的な自治体ということにはなっているが、実質的には、設立自治体の強い影響下にある。

自治体の具体的な類型
日本の自治体類型は、基本的に、地方自治法という単一の法令に基づいて設立されているため、組織形態、機能、権限などが均一である。これに対してアメリカでは、各州毎に州法に基づいて設立されているため、その組織形態、機能などは複雑であり、理解し難い。
理解し難いことについては連邦政府も同じであり、5年毎に実施されている連邦政府行の全米自治体調査においては、先ず、雑多な性格を持つ自治体、あるいは自治体もどきの組織を見ながら、どのような団体を全米自治体調査の調査対象とするのか、自治体たるものの定義から始める必要がある。実際、連邦政府国勢調査局は、自治体の類型として5つの類型を定義し、調査対象としている。
①郡(County):
・市やタウンシップなどの所管区域に属しない地域に公共サービスを提供する自治体
・州政府のの機関としての性格も併せ持っている)
②市(Municipal)
③タウンシップ(Township)
③特別区(Special District):
・消防、水道、病院、交通、上下水道、灌漑など特定サービスを提供する自治体
④学区(School District):
・学校運営サービスを提供する自治体
自治体類型の日米比較


*米国自治体類型の分布状況の州毎の大まかな違い
■ County(郡政府)
・ Texas(254)が最多
・ New England(CT, RI, MA)は郡政府がほぼ存在しない
■ Municipal(市政府)
・ Illinois、Pennsylvania、Texas が多い
・ 西部は少なめ(自治体の面積が広い)
■ Township(タウンシップ)
・ Illinois、Indiana、Ohio、Michigan、Wisconsin に集中
・ 南部・西部にはほぼ存在しない
■ Special District(特別区)
・ 全自治体の中で最大の類型
・ Illinois、Texas、California、Colorado、Washington が多い
・ インフラ需要に応じて増加傾向
■ School District(学区)
・ Texas、California、Illinois、Ohio、Pennsylvania が多い
・ 1940〜1970年代に統合が進み長期的には減少傾向